CBDC
CBDC(Central Bank Digital Currency)とは、中央銀行デジタル通貨のことで、中央銀行が発行する法定通貨であり、従来の紙幣や硬貨と同様の役割を果たすものです。
CBDCは主に次の3つの要件を満たすものといわれれています。
1.デジタル化されていること
2.円などの法定通貨建てであること
3.中央銀行の債務として発行されること。
簡単に言ってしまうと、PayPayとかSuicaの国バージョンということですね。
CBDCを利用することによって現金の使用が減少し、経済における脱現金化を進めることができます。
「今でも既にPayPayやSuicaで十分キャッシュレス決済できてるでしょ?」という意見があると思いますが、様々な〇〇Payが乱立しているので、CBDCが一つ増えたところで変わらないだろうというのと、汎用性でいうと〇〇Payの上位互換だろうなという感覚です。
なんて言ってもCBDCは法定通貨ですからね。
でも、お得感としてはポイントや割引が受けられるかは○○Payに軍配が上がると思いますけどね。
さて、このCBDCで一番進んでいる国は中国で、2021年に配布が開始されてから一定の実績を上げています。
中国のCBDCは、WeChatやAliPayなどの電子決済サービスと同様の利用方法ができ、決済システムの拡大や犯罪の防止、政府の監視強化などのメリットが期待されています。
ただし、CBDCが人々のプライバシーを侵害する可能性があるという懸念も指摘されていますが、「やると言ったらやる」で通す中国だからこそスピーディーにCBDCが普及している側面もあると思います。
CBDCはクリアしなければいけない問題は様々ありますが、利用者側よりもむしろ導入する国にとって圧倒的なメリットがあります。
まず、資金の流れが追跡可能となるため、現金よりも圧倒的に国による管理がし易くなります。
加えて、造幣コストや管理コストの削減、データ収集、税金の回収が容易になる等、CBDCのシステムが出来上がってしまえば国にとっては非常にメリットがあるといえます。
だからこそ、中国は国民の多少の反発は無視して世界でも先駆けてCBDCを導入しているのでしょう。
反対に、日本の中央銀行である日本銀行は、CBDCの導入については慎重な姿勢を示しています。
日本では、既にキャッシュレス決済の利用が既に一般化しており、そのままで十分ではないかという風潮が予想されるのと、プライバシーやセキュリティの面での懸念が常についてまわるからです。
しかし、世界的なCBDC検討の流れもあるため無視することはできず、日本銀行もCBDCの研究や検討を進めており、今後の動向に注目が集まっています。
一方、世界各国でCBDCを検討している中、CBDCに先んじて世界で普及している仮想通貨があります。
それが、ステーブルコインです。
ステーブルコインは、法定通貨や商品などの資産に価値を連動させたものです。
ステーブルコインは、CBDCと同様に、デジタル通貨の一形態として注目されていますが、CBDCは中央銀行が発行する法定通貨であるのに対し、ステーブルコインは企業や個人が発行するものです。
アメリカではステーブルコインに対する姿勢が厳しいですが、CBDCよりも先に普及してしまったステーブルコインとの付き合い方に注目が集まっています。
ステーブルコインを潰しにかかる動きをするのではなく、折り合いをつけて着地点を見出してほしいところです。